慢性的な人手不足に悩む看護業界
日本の少子高齢化の流れは、加速しており地方の過疎化は当然ながら、都心部においても高齢化は進行している。そうした傾向は若者の人手不足などの問題をもたらし、日本の労働環境に大きな影響を与えている。
特に人手不足の問題に悩むのが看護、介護の現場だ。高齢者は増加して看護、介護の仕事は増加しているが、働き手が追いついていない状況にある。さらに厳しい労働環境の中で、業界を離れていく若手も多い。
こうした状況の中で、期待されているのがフィリピン人看護師だ。今回、フィリピン人看護師を支援するためのクラウドファンディングプロジェクトが始まっている。
来日フィリピン人看護師の現状
日本の看護業界の人手不足を解消するために、日比経済連携協定により、2008年から看護師を目指すフィリピン人が来日している。日比経済連携協定の制度により、フィリピン人は働きながら国家資格をとるための期間を過ごすことが可能になる。
しかしこの制度では、決められた期間内に国家資格に不合格になった場合は、日本滞在を延長することが不可能だ。日本語の試験に大きなハードルがあり、制度を利用して日本に来たフィリピン人の9割が、制度期間終了後は帰国してしまっている現実がある。
4名の帰国看護師が受験するための資金100万円を募る
こうした現状に対し、フィリピンのNPO「ASCHC」は帰国看護師を対象に、インターネットラーニングなどによる再受験サポートを行っている。しかし日本とフィリピンの物価の違いなどから、インターネットラーニングを実施しても、受験の渡航費を捻出することが課題であることが分かった。
そこで今回はクラウドファンディングの「レディーフォー」を通じて、4名の帰国看護師が日本の看護師国家試験を再受験するための100万円を募集している。日本の看護介護業界の人手不足を解消するためにも、注目したいプロジェクトだ。
(画像はプレスリリースより)
フィリピン人看護師のために日本の国家試験受験費用を募集
https://readyfor.jp/projects/asatosalvadorAsato Salvador Cultural Harmonization Center, Inc.のプレスリリース
https://www.value-press.com