介護負担と肌汚れ面積の低減を確認
2009年5月、ユニ・チャーム ヒューマンケア株式会社が発売した自動排泄処理装置である尿吸引ロボ『ヒューマニー』の効果臨床実証が第20回「日本慢性期医療学会」にて発表(2012年11月9日)にて報告された。
同製品は排尿があると、センサーが検知し、真空ポンプを作動させ、タンクに尿をためる仕組みになっている。2012年4月の介護保険法改正により、レンタル福祉用具となった。
背景には急激な高齢化を背景に、2007年から2025年の間に約100万人の介護職員の不足が見込まれ、「介護の在宅化」を推進するにあたり、介護者・被介護者のQOL向上や、介護の質を維持しつつ介護者の負担を軽減する必要があった。
結果として、同製品を使用することで、「オムツの交換回数」と「オムツ内の肌汚れ面積」を低減させることができることが実証された。
研究内容
尿吸引ロボ『ヒューマニー』を使用することによる、オムツ交換回数の低減による介護負担軽減とオムツ内の尿による肌汚れ面積の低減について検証。
被験者は、高齢者で終日オムツを使用している、ベッド上での生活が主体の人26名(障害高齢者の日常生活自立度ランクC)。本人または家族に事前に試験説明を十分行い、書面にて同意が得られた人とした。ただし、3名脱落して23名となった。
試験期間は、2012年3月~8月、試験内容は「試験品から使用開始」と「対照品(ライフリー)から使用開始」の2つのグループに分け各々の条件で3日間使用した。交換の際に肌の様子を確認し評価を実施した。
試験品は対照品よりも「交換回数が少ない」うえに「オムツ内の尿汚れ面積」「残存尿量」を減少させ、利便性があることが実証されたと考えられる。また今回の試験で介護者のに使用後のアンケートを実施した結果、試験品『ヒューマニー』の便利な機能(オムツの交換回数が減ること)を約68%の方が良いと答えた。
臨床研究は北海道大学名誉教授 大浦武彦氏監修のもと
一般社団法人TMG本部 看護局、医療法人社団 武蔵野会 新座志木中央総合病院、医療法人 医仁会 中村記念病院、彦根市立病院
の協力を得た。
(記事中引用部・画像は、ユニ・チャームニュースリリースより)
ユニ・チャーム/ニュースリリース
http://www.unicharm.co.jp/company/news/